春の中学で

先生 お世話になりました。ありがとうございました。

 その人は、3年生の夏に「やっぱり、中卒じゃだめなんよね。いい人に出会いたいし。でも、どうやって勉強したらいいの?」
 そう言って話しかけてきたこの人は、授業中にラインをしているような茶髪の女子でした。「教科書を家に持って帰ったら?。」
 そんなことが始まりで、「社会の問題がわかったよ!」などと嬉しそうに、廊下で話しかけてきた。

 卒業の日に、希望していた高校に入れたと、喜んでいた。複雑な家庭の中でよく頑張ってきた。自分の手の中に握りしめた希望を見せてくれた。少女の春はほんとに美しかった。

カテゴリ:日常・住まい