連載:日常3

「美しい人」

私はまたバイクに乗った。8時間勤務はかなり疲れるので、一度帰宅したらもう外に出ることなど殆どなかったが、あの緑地を目指そうと思った。走り出して、遠い気がした。近所にも生えているはずだ。田んぼに向かった。

道端を見ながらゆっくり走らせていくと、あるにはあるがここは犬の散歩道。至る所に排泄しているはずだ。もっと遠くに行ってみよう。

すると田んぼ道と林の道が交差するところに、一人の女性が腰かけていた。バイクを停めた。

私が友人と花見に行くときに被ったものと同じような鍔の狭い帽子を被り、白髪は爽やかな風に靡き、ジーンズの足を組んでいる。

顔はなんでまたこ