向き合った肉厚の葉の間から白い頭を覗かせている。まさか。これだけだろうと思って隣を見たら、やっぱりある。まさかまさか、こっちの鉢は出ていないだろうと思ったら、隣の鉢の二株にも白い頭が見えている。 花が咲かないからと捨てる気にもなれず、葉を楽しむつもりでずっとそのままにしていた君子蘭を、去年の夏株分けして二つの鉢に植え替えた。ホームセンターで君子蘭用の土を買い、黒く四角い縦長の鉢にした。 寒く…
仕事帰りに寄るマルエツで、美味しそうなお惣菜を見つけた。豆腐と大根、ゆで卵を濃い色で煮付けている。入口の方に戻り、木綿豆腐を籠に入れた。 卵はパルシステムの宅配ものがまだそのままだし、大根も4本もある。 この大根は自転車で帰って来る時、近所の小さなお店とも言えないようなお店で見つけたものだ。風の強い日だった。爺様婆様が3,4人集まって何やら話しているので、自転車を停めた。今年は「行列には並ぶ…
朝起きた時は真っ暗だし、ご近所迷惑だから雨戸は開けないが、出勤する6時半前には開ける。まだ暗い。西の方向に月が見えるとそれだけで得したような気分になる。 やはり青くは見えない、白だ。 「月がとっても青いから」を思い出す。 「お気に入り」さんが「アオゲラ」をアップされた。この名前は聞いたことがあると思ったが、写真の鳥は青くなかった。赤い部分と緑色の部分がある派手な鳥だ。 「中国から伝えられ…
一升瓶を持って注いで回る男性が言った。 「プライドなんて持ってらんないよ。」 すると私の隣にいた男性も言った、 「そうだよ、プライドなんて持ってたって何の役にも立たないよ。」 紙コップに半分ほど注がれたお酒は驚くほど美味かった。 駅伝大会のご苦労さん会だった。私達は選手の送り迎えなどサポートに回ったが、クラブの総力を挙げて取り組んだ。 12月に発表された選手は、皆一様に練習に気合が入った。…
いつまで経っても来なかった。違うコースにでも行ったのだろうか。今までなら私と一緒に走り出しても、私はすぐに周回遅れになり、みんな私をまた追い越して行った。だが、カントクが一緒に行くとは思えない。 何度かきょろきょろ後ろを見たが、林の中はしんと静まり返っている。この林は新年になったら綺麗に雑木が刈り取られ、見通しが良くなっている。このまま一人で走ろう。 最初の2周は出来るだけ速く走った。駅伝と…
いつからこんな風にその年人気のあったドラマを一挙に放送するようになっていたのだろう。 「赤毛のアン」を訳した村岡花子を主人公にしたNHKの朝ドラで、白蓮の最初の夫役をやった吉田鋼太郎、と、こんな風に私は認識しているのだが、彼は、なかなか色気のある役者だと思うが、彼が息子のような若い「男性」に恋する『おっさんずラぶ』を見た。 こんなのをテレビで堂々と流す時代になっておったのかと、時代遅れの頭を…
4時に仕事が終わり、外に出る。自転車に跨った。今日も疲れた。Toshiがアンジェラ・アキの「手紙-拝啓十五の君へ」をカバーしている。 「今負けそうで泣きそうで 消えてしまいそうな僕は 誰の言葉を信じ歩けばいいの?」 サビだ。一緒に歌うオカン。 「大人の僕も傷ついて 眠れない夜はあるけど 苦くて甘い今を生きている」 今日はお風呂が嫌いな婆様が入った。それは嬉しいが、その前に何とも「苦くて甘…
中島みゆきの歌は中島みゆきが歌うからいい。そう思って来たが、もっと凄い歌手がいた。 息子の車に乗ると、いつも音楽を流してくれる。 「これ、何?刺さる。こういう意味だったんだ。知らなかった」 叫んでしまうオカン。大勢の女の子たちが短いスカート穿いて楽しそうに歌って踊る曲は、やっぱり楽しく聞いていた。NHKの朝ドラで毎日聞いていたのに。いや、聞いてなどいなかった、聞き流していた。 『人は思うよ…