しんかんと火の島燃ゆる山躑躅 水原 春郎
つつじ原湧く雲に雷なづみそむ 寒々
つつじ咲く母の暮しに加はりし 中村汀女
つつじ多き田舎の寺や花御堂 正岡子規
つつじ密磊塊過ぎる造り岩 香西照雄 素心
つつじ山とつとと下りて汗ばみぬ 上村占魚 球磨
つつじ桜南朝の跡見にいらむ 鬼 貫
根津神社躑躅小山に咲いており アロマ
塔見えて躑躅燃えたつ山路かな 阿波野青畝
壷に挿す山つつじ山を思うらし 北原志満子
よぢ下りる岩にさし出て濃躑躅 杉田久女
わが前につつじむらさき屏風なす 山口青邨