連載:季節の花 4

北国の春を彩るライラック

朝玄関を開けたらいきなり甘い香りに包まれた。
瞬間、咲いたなと思う。そして今年も本格的な春になったなと感じる。
ライラックとはわが家にとってはそういう花である。

ピンクがかった甘い紫色で、モクセイ科に属するから香りが素敵なのは当然かもしれない。
本来は札幌の街を彩る花で、北国にも春が来たなあと思わせる花なのだ。若い頃は札幌市の花はこのライラックだと思っていたくらい、私の中では札幌のイメージに重なり合う。
他に白やピンクなど淡い色が多く、下から咲きあがるのもうれしい。

フランス語ではリラ。
花言葉は初恋の思い出、愛の最初の感情。というのも、北の詩情を思