さんが書いた連載季節の花 4の日記一覧

会員以外にも公開

桃の花は三分咲き

梅が満開になり、桜の芽がそろそろ出始めた。その中間を彩るのが桃である。私の生まれ育ったこの町では幼い頃からそう覚えこんでいる。 梅にちなんだ故事や祭りや慣習は多いが、桜も同じようなことがいえる。いわば日本人の古くからの楽しみであったり、生活の知恵であったり。 反面、桃はそういうものが意外と少ない。雛まつりではその花の貴重さが知られてはいるものの、調べてみてもわりと歴史にさえあまり登場していない…

会員以外にも公開

紅葉の季節になって思うこと

紅葉と書いて「こうよう」と読む。でも「もみじ」とも読むから、読み方はなかなかむずかしい。 こうようと書いたつもりでももみじと読まれたり、その逆もたくさんあることと思う。 そもそもこの紅葉は大昔は「もみち」と読んでいた。 現在はもみじといえば紅葉をさすが、万葉時代は紅葉よりも黄葉が主流であった。だから「もみち」を題材にした万葉集のほとんどは黄葉をさしている。その数なんと137首のうち赤はわずか6…

会員以外にも公開

雑草という草花は存在しない

猫の額と思うほどの庭の草取りをした。 10月としては異常なほどの暑さだったので汗をかいた。32度もあればそれも納得できる。 草取りをする本人はへばりぎみなのに、この雑草たちは背すじをシャキッと伸ばして立っている。 雑草を辞書でひくと「人間の意図にかかわらず自然に繁殖する植物」とある。 どうやら雑草という名の草花はないらしい。正式な名称がそれぞれに付いているが、人はそれらをまとめて雑草と呼んでい…

会員以外にも公開

彼岸花を見に行きました

  秋の日に 彼岸花を見に行った これで3回目 最初は筑波山の麓で 五人でそのなんだかわからない木のそばで 何べんも何べんも写真を撮りまくった 2回目はお墓参りで お寺の赤がとってもまぶしかった そして 近くの公園に 平日の午後  みんな過ぎ行く季節を惜しんでいるかのようだった じっと見ていると 猛毒だとはとても思えない お墓に似合う花だと  どなたが最初に言い出したのか    彼…

会員以外にも公開

真夏の炎天下でも咲き続ける日日草

玄関を出ると、初秋のやわらいだ日差しがさしかけてくる。そして日日草がはがゆいばかりの可愛さで、その姿をみせる。 毒性の強い花だとはとても信じられない。 真夏の炎天下でもしっかり育つ、数少ない花のひとつ。次々に咲いて、古い花は枯れる前に落ちるから、常にきれいな状態で花をながめられる。日日草という名は毎日のように新しい花が次々と咲いていくという意味で付けられたようだ。 五つに裂けた花を数個ずつつ…

会員以外にも公開

ヒルガオの花が咲いている

ヒルガオ(昼顔)が庭にわずかばかり咲いている。今年もしばらく前から顔を見せてくれているのだけれど、この花にはどことなく親しみを感じる。 数日前に咲きだした縷紅草や、2週間くらい前からの現の証拠とともに、わが家に咲く夏から秋へのベストスリー花と自分では決めている。 大昔は容花(かほばな)と呼んでいたようだ。 「かほ」というのが何を意味するのか知らないけれど、なんとなくイメージ的にはわかるような気…

会員以外にも公開

オクラの花は美しい

夏野菜にもたくさんの種類があるが、そのなかでもオクラは筆頭クラスだろうか。 もちろん健康に良いことは広く知られているけれど、美容の面でもかなりいいらしい。そのわりにはわりと人気の点でイマイチだなあと思うことがある。 しかし近年は食用としての人気も徐々にではあるが上がってきているとか。ここ20~30年くらい前から、ゆるい坂道をじわりじわりと上るような傾向で。 と同時に、その花を楽しむ人も最近は…

会員以外にも公開

ラベンダーは花の人気にプラスして、ポプリやサシェの楽しさが

花を鑑賞するのには見るという方法が一般的だ。 季節の花の姿や色を見るのは誰でも好きだとは思う。と同時に、匂いを嗅ぐというのも楽しみのひとつ。目と鼻をフルに使っての楽しみは植物からの恵みである。 お人によっては口を最大限に利用して、あれこれその花のおしゃべり評論をする方も多い。話に花を咲かせるとはこのことなのであろう。 茨城県には少し前まで水海道という名の市があった。平成の大合併で消えてしまった…

会員以外にも公開

涼しさを呼ぶラベンダーの甘く爽やかな香り

朝から雨で、この関東もいよいよ梅雨入りした。 と思ったのは昨日のこと。今日はうってかわって朝から見事な快晴。つい足が花のある公園へと向かってしまう。 先週訪ねたときは人影はまばらだったが、今日は駐車場の車も相当数見受けられる。明日からの土日はきっと入りきれない車もかなりでてくるななどとよけいな心配をしながら堰堤に足を進める。 目の前にはロマンティックな紫色のじゅうたんがパッと広がる。 ラベン…

会員以外にも公開

ドクダミは茶や生薬や漢方薬として

天気がいいのを理由にふらっと近くまで出かけてみる。 平日のためか公園には人影はパラパラ。お年寄りのご夫婦や中年のご婦人のおひとり散策。 それに市役所の職員らしき男性も首からたらしたカメラを構えている。何か資料用の撮影なのであろう。ぶら下げた名札と服装から判断して、そう思わざるをえない。いくらか今の時期に咲く花に関しての言葉を交わす。若くても律儀で、はっきりした口調であったのはうれしい。 歩き疲…

会員以外にも公開

菖蒲の花は美しい

6月になった。この季節になると見たくなる花が二つある。 それは紫陽花と菖蒲。紫陽花は近所を歩けばけっこう見ることはできるが、菖蒲は公園などの管理された場所に行かないと近頃はあまりお目にかかれない。 5月に咲くあやめの花はほぼ終わりに近いけれど、菖蒲の花はこれからが盛り。そんな思いで車を走らせてみる。 昨年もこの日記にわが家に咲く菖蒲やあやめを記したような気がするが、今年もまた思いを新たに書い…

会員以外にも公開

椿の小枝を切ってみて

あんまり外がいい気持ちなので、サンダル履きで庭の花や木を眺めてみた。猫の額のようなちっぽけな庭だけど、「咲けば都」ではなく、「咲けば庭」などと思いながら。 そうして、玄関から花ばさみを持ち出す。 早春にたくさん花を付けてくれた椿の木。枝切りなど始めるとは思ってもみなかったが、気まぐれに伸びてきた小枝を切ってみる。 葉にはいいようのないほどのツヤがある。きれいな花をいっぱい付けているときは喜ん…

会員以外にも公開

藤の花は気品が高い

西へ行っても南の方にも藤の花を見られる名所はあるけれど、なんとなく足が向かない。 藤は見ていていいなあとは思うのだが、それでも身近なお友だちにはイマイチ進まない。自分で自分のおかしさを笑うことがしばしばある。 藤の花は気品が高い。 どうしてなのか考えてみたけれど、それは色にあるのだろうと思う。紫はお坊さんでは最高位。めったにそばには近寄れない。虹の色は赤から始まれば、橙黄色と続き、大トリの色。…

会員以外にも公開

ネモフィラ(瑠璃唐草)は丘の上にはピッタリの可憐な花

丘に咲く花というのは、下から見上げるのと、一番てっぺんから見るのでは少しイメージが違う場合がある。 つまり下から見るのは見上げた花、上から眺めるのは見下げたような格好になる。まさに昨日がそうだった。 るり色の花は英名でベビーブルーアイズ(赤ちゃんの瞳)とよばれ、愛敬のある可愛げな姿を容しているネモフィラ。 和名も瑠璃唐草(るりからくさ)とチャーミングで、とっても素敵だ。 北アメリカ西部原産の…