水滴を弾いて優雅牡丹かな

 神鏡に映る万花の一牡丹  野見山朱鳥

 秋風にさびしくなりぬ牡丹の木  細見綾子 花寂び

 眠りゆたか白牡丹咲く地つづきに  佐野美智

 窯変は牡丹色なり夏に入る  水田晴子

 立ち変る客に疲れし夕牡丹  中井余花朗

 紅に人集めてをりし牡丹園  稲畑廣太郎

  紅牡丹べにをきはめし午下の日に  上村占魚

 箸先の鱧の牡丹を崩すかな  草間時彦

 総門をくぐれば牡丹曼陀羅図  日比野里江

 竹筒にさせる牡丹や妙喜庵  妻木 松瀬青々

 美酒あふれ蟹は牡丹の如くなり  渡辺水巴

 翡翆の岩に来てゐる牡丹園  遠藤梧逸

 花か