枝ごとに夕風違ふ八重桜 　朝妻力 　八重櫻余韻のぬくき時の鐘 　いしだゆか 　 　日の重さ風の重さの八重桜 　一民江 　 　自転車の前後に子乗せ八重桜 　東亜未 　　 　咲き満ちて鬱に入りたり八重桜 　澄田玄志郎 　 　八重桜紅差し長閑昼下がり　　アロマ 　途中下車するのしないの八重桜 　清水ミツコ 　 　神鏡に映り盛りの八重桜 　小川玉泉 　 　雲は天才紅白きそふ八重…

　神鏡に映る万花の一牡丹　 野見山朱鳥 　秋風にさびしくなりぬ牡丹の木 　細見綾子 花寂び 　眠りゆたか白牡丹咲く地つづきに 　佐野美智 　窯変は牡丹色なり夏に入る 　水田晴子 　立ち変る客に疲れし夕牡丹 　中井余花朗 　紅に人集めてをりし牡丹園 　稲畑廣太郎 　 紅牡丹べにをきはめし午下の日に　 上村占魚 　箸先の鱧の牡丹を崩すかな 　草間時彦 　総門をくぐれば牡丹曼陀羅…