連載:季節の花 4

椿の小枝を切ってみて

あんまり外がいい気持ちなので、サンダル履きで庭の花や木を眺めてみた。猫の額のようなちっぽけな庭だけど、「咲けば都」ではなく、「咲けば庭」などと思いながら。
そうして、玄関から花ばさみを持ち出す。

早春にたくさん花を付けてくれた椿の木。枝切りなど始めるとは思ってもみなかったが、気まぐれに伸びてきた小枝を切ってみる。

葉にはいいようのないほどのツヤがある。きれいな花をいっぱい付けているときは喜んで見ていたが、ポトンと花を落とした後はもう見向きもしなかった椿。
こんなに葉が美しいとはちっとも知らなかった。見てはいたのだけれど、きっと心にとめていなかったのだ