夕方、倉庫でチンゲンサイを袋に詰めていた。
すぐ近くで猫の声がした。
あーあ、とわたしは思った。どうしよう?
しばらく前から、どこかから生まれたばかりの猫の赤ちゃんの声が聞こえていた。
こんな近い所にいたのか。
根っからの「犬派」であるわたしは猫はあまり好きじゃない。以前、野良猫に引っかかれたことがあって。
まだブルが小さかった頃。
わたしが裏口から出ると知らない白い猫が近づいてきた。わたしの脚にすり寄った。
いちおう、撫でてみた。
喉をごろごろ言わせて嬉しそうにしていた。
なんだ、猫もけっこう可愛いじゃないか、と、その時わたしは思った。