連載:俳句

4月~6月 俳句/短歌


1.ローズティー今日をなかったことにする

2.お互いに歳をとったね亀の春

3.花の丘南を向けばみなみ風

4.白球のフェンスを越えて夏の空

5.あの朝のあやめの前で待ってます

6.白菖蒲哀しみが透き通る朝

7.返信はついに来なくて梅雨晴間

8.ふわとろのスクランブルエッグ梅雨晴間

9.竿いっぱい野良着乾いて梅雨晴間

10.ピアスなんか冷凍庫に入れて帰るなよ


11.柳の幹の色の逡巡を流して僕たちは半歩ずつ歩いた

12.野ねずみも狸も犬も僕もただ黙って耐えるこの春嵐

13.初めてのホモサピエンス親猫の後ろで君はみゃあと啼いてる