宗教について考える(5)

前回まで説明して来た宗教(一神教)は、宇宙の本源を天地創造の唯一神と見て、この神が人間に向けて発したメッセージを追求するという世界観を持っていた。

これに対して仏教は、神というものは棚上げして、いずれ死に至る悩みを解決するべく、悟りを追求する宗教である。

悟りに向けた修行であるから、神の宗教ではなく、人間の宗教として全く性格の異なるものである。

この凡夫が修行により「悟り」という聖なる境地を目指すという強いベクトルを持つ。

悟りを体現したブッダは殆ど神の域に達している。

この意味では、仏教もまた神を求める宗教という性格を持つ。

釈迦の生い立ち