宗教について考える(6)

仏教は本来、戒律によって身を律する修行の宗教であった。

釈迦より5世紀ほど後、丁度キリストが現れたころ、厳しい禁欲的な出家宗教にとどまらず、教えが多様化し複雑化してきて、

多くの仏(如来や菩薩)とその教えである経典が作り出され、それぞれの仏に縋ってその教えを守れば救済される風潮が生まれ、

これを、広く民衆をも救済できる大きな乗り物にたとえた大乗仏教として台頭してきた。

同じころできた、キリスト教がユダヤ教に比べて、戒律よりも神を信ずることにより救われるという救済の間口が広くなっているのと似ている。

大乗仏教に説かれる教理は、釈迦のものそのもので