櫻見にひるから走る夜汽車かな 八田木枯
喘ぐ汽車満月の梨花寐しづめり 宮武寒々 朱卓
曼珠沙華逃るるごとく野の列車 角川源義
路地裏を夜汽車と思ふ金魚かな 摂津幸彦
六畳ガス水道完備哀愁列車のあいつ 仲上隆夫
星月夜列車の旅は果てしなく アロマ
列車待つ人みな無口雪時雨 長久保恵美
列車徐行麦の一本一本鋭し 渋谷道
列車今四月の櫟林行く 江藤 都月
列車行くりんごに触れんばかりかな 浅水明子
列車すっ飛ぶ暗き尾灯の年終わる 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
列車いま全速妻へ初電話 有働 亨