日脚のぶ電車にくらしの裏見られ 成瀬桜桃子
日永の土佐路面電車はリスボン製 高澤良一 寒暑
日に幾度電車の過ぐる古巣かな 依光陽子
日が射して片頬ぬくき初電車 池田秀水
虹の方電車ずぶ濡れ来りけり 岡田 貞峰
匂袋老女涼しく電車降り 館岡沙緻
電車乗り換え降りて路面電車 アロマ
馬鈴薯の花も電車も夕日中 愛澤豊嗣
波音の由比ケ浜より初電車 高浜虚子(1874-1959)
年の瀬や無口を運ぶ終電車 野田まこと
熱海行で大船までの初電車 岸田稚魚
氷る日の灯ともす電車かよひをり 飴山實 少