コト、此処に至っても、人間性は存在する「万引き家族」(今年度カンヌ映画祭パルム・ドール)

 先ず、思ったこと。この島国の「底辺」にある、今日的な人とひとの結びつきの物語に対して、異国の地の、それも映画芸術の分野では功成り名を遂げた審査員たちが、最優秀の賞に相応しいと判断した事に、最上級の敬意を表したい。

 年金で暮らすおばあちゃん?と、それに頼りながら、仕事と万引きの両方で生計を立てる父?そして、パートでそれを助ける母?風俗に勤めるその妹?・・・、そして、父親から万引きを「伝授」されながら学校へも通わないで過ごしている男児・・・、何とも不思議な「家族」。そこに、親から虐待を受ける5歳の女児が加わる。

 世の中の常識の外側に暮らしながら、何