進撃のおっさん NEO   ~3~

 まったくのすっきりした顔つきだった。

 四年前、インタビューの途中で彼は席をはずして、カメラに背を向けて悔し涙を流していた。その姿とは180度違った。

 もちろん納得のいく敗戦などない。けれどもひとりのアスリートとして長友選手が純粋にすべてを出し尽くしたのは観戦したすべての人々が知っている。
 

 ランキングでは雲の上のベルギー、その背中すら見えない相手にドン引きして守りを固めていく戦法ではなく、ボールを持ったらすかさず前につないでいく、日本の全員サッカーは見事だったと思う。誰もがここまでするとはと思ったに違いない。だからこそラストの衝撃に観る者