連載:ジョギング

「私だけの花園」

一人で市民の森に行った。ジョギングクラブの「コーチ」と、クラブに加入していないが走ることが好きな仲間二人が、週に二回走る。

サングラスを外した。林の中には日の光も強風も届かない。まずはゆっくりと歩こう。木々を眺め、空気を吸い込んだ。今日もここに来れた。地面はふかふかだ。自然とへらへら顔になっていた。

向こうに鮮やかな色彩が目に付いた。3人が立っている。こっちを見ている。
「先導してよ。リーダーがいないと走れないよ。」
「遅いですよ」

「いいんだいいんだ、焦らないで」

走り出した。本当にゆっくりだった。申し訳ない思いで先に行ってくださいと言っても「