連載:日常3

「クレイジーな奴等」

迷っていた。重症者が多いユニットへ行ってみないか。そちらで退職者が相次いだ。

一体どこまで行くつもりなんだ。もう辞めたっていい年齢だ。誰も文句は言わない。知らなくていい世界だってある。

テレビで『絶景を駆け抜けろ!激走富士山麓168キロメートル』を見た。フルマラソン4回分の距離、それも並じゃない山を幾つも登る。クレイジーとしか言いようのない世界の猛者たちが走る。以前も見たことがあった。寝ずに走るので意識が朦朧とする者も出て来るが、それほどまでに苦しいことを誰に言われた訳でもないのに自分からやる。

不思議に画面から目が離せなくなった。何だろう、この魅