田植えは半夏生までに終わらせて

 平凡な雨の一日半夏生  宇多喜代子 象

 引出しにポプリひそませ半夏生  上窪則子

 午後四時の能登の道沿い半夏生 アロマ

 夕虹に心洗はれ半夏生  八島英子

 朝の虹消えて一ト雨半夏生  酒井黙禅

 木の揺れが魚に移れり半夏生  大木あまり 雲の塔

  村挙げて蛸食ふ慣ひ半夏生  西尾宗一郎

 若狭路の仏を恋へば半夏雨  角川春樹

  荵苳の古酒の甘さも半夏生  真田清見

  街の音地を這ひて来る半夏生  沢木欣一

 空港より走る道に半夏生  アロマ

 青大将納屋に潜める半夏かな  牧野寥々

 石見路や雨脚白き半夏生  山