夕暮れに夏野爽やか茜する

 爽やかに山近寄せよ遠眼鏡  日野草城

 くづれては瀬をさやかにもしもはしら  飯田蛇笏 雪峡

 さはやかに竹の山からゆれだしぬ  岡井省二 鹿野

 さはやかや少しこごりて浄め塩  鷹羽狩行

 さはやかや遠野に犬が吠ゆるさヘ  日野草城

 ひと筆を素焼に賭けて爽やかに  鈴木真砂女 夕螢

 凍てずしてさやかに蝶の飜る  相生垣瓜人 明治草抄

 夕方の顔が爽やか吉野の子  波多野爽波

 夕暮れに夏野爽やか茜する  アロマ

 寒梅の蕾の真玉さやかなる  上村占魚 鮎

  小雨さつと笹原わたる爽かに  山口青邨

 帰り花日かげりぬればさ