受験期の子どもの背中風が挿す　 山田一男 　受験子のいつも空腹青田澄み　 宮坂静生 雹 　連翹の黄の一翔に合格す 　　上田五千石 　受験期の想い出楽しそれなりに　　アロマ 　母留守の父に受験子夕炊ぐ 　堀口星眠 　入学試験最中南風吹きにけり 　増田龍雨 　灯を消して受験の明日へ星明り 　永田二三子 　ポップコーンはじけ合格通知来る　 山崎千枝子…

　明るさやどこかにきつと帰り花　 今井千鶴子 　昼の月漂ふ空や返り花　 梅史 　松虫草返り咲く日の湖淡し　 堀口星眠 　日に消えて又現れぬ帰り花 　虚子 　返り花仄かに咲いて夕闇に　　アロマ 　帰り花汐風うけて暖かき　 里人 　寄生木に冬を残して帰り花 　　菊童 　四季桜気付かぬうちに咲いており　　アロマ 　山吹の色を尽くせる返り花　 椎橋…

✦　帰り花刑場跡の真向かいに　　　　　　蘭音 ✦　次女長女みんな二重に帰り花 ✦　返り花老いらくの恋祝ふかに ✧木々が葉を落とし空が明るくなり、小春日には其処此処に帰り花が見受けられるように。。。

　*はまなすや沖に一筋潮の道 　西谷不二江 　アイリスの花弁一筋黄をとほす 　山口青邨 　あき風や一筋かゝる瀬田のはし 　壺中 　帰り花石を逸れたる風一筋 　岸田稚魚 筍流し 　紀の海に一筋の潮月見草 　大嶽青児 　一筋の汗こめかみより流れ　アロマ 　海に沿ふ一筋町や鳥曇　 高浜虚子 　海一筋に生きて薪割る冬仕度　 黒田桜の園 　海沿ひの一筋町や雪起し　 小峰恭子 　刈り残る…

　たんぽぽもほほゑましくも返り花 　成瀬正とし 星月夜 　たゞ一つ白きつゝじの返り花 　阿部みどり女 笹鳴 　ちょっとしたことでいさかひ返り花 　高澤良一　鳩信 　ちらぱらと散りもしてあり返り花 　鈴木花蓑 鈴木花蓑句集 　なぜか近よりがたき思ひの返り花　 廣江八重櫻 　にこやかにぼけの来し父返り花　 茨木和生 野迫川 　はしなくも放下のかたち返り花　 長谷川双魚 『ひとつとや』以…

　爽やかに山近寄せよ遠眼鏡 　日野草城 　くづれては瀬をさやかにもしもはしら　 飯田蛇笏 雪峡 　さはやかに竹の山からゆれだしぬ　 岡井省二 鹿野 　さはやかや少しこごりて浄め塩 　鷹羽狩行 　さはやかや遠野に犬が吠ゆるさヘ　 日野草城 　ひと筆を素焼に賭けて爽やかに 　鈴木真砂女 夕螢 　凍てずしてさやかに蝶の飜る 　相生垣瓜人 明治草抄 　夕方の顔が爽やか吉野の子 　波多野爽…