天目山での最期

 平山優の「武田氏滅亡」を読了した。著者は山梨県立中央高等学校教諭、山梨大学非常勤講師で、日本中世史・近世史が専門の在野の歴史学者であり、山梨郷土研究会、武田氏研究会(副会長)等に所属している。本書は主として、長篠合戦以降の武田勝頼の行動を解析することにより、戦国の雄である武田氏滅亡の原因を詳細に検証したものである。
 本書は全書版で750ページを超す大著である。一次資料を豊富に引用し、あたかも資料集の趣を呈していることもあり、目次を後掲するだけで、ここで内容についての詳細を述べることはしない。
 著者の作品を読むのは本書が二冊目であり、いずれも武田勝頼