高取で見た花々

大輪の芙蓉の供華や野の仏

田舎にもコンビニありて蕎麦の花

鬼百合の名を恥ずかしと風に揺れ

匂濃き山百合垂るる崖に沿ふ

百日紅壺阪寺は門閉ざす

老鶯や青畝耳しひ句碑あはれ

夏草や青畝の生家老ひにけり

夏痩せて媼が一人守る生家

崩れゆく山城悲し竹煮草

山城の錆びし古池蛙鳴く

怨霊の声とも聴きぬ牛蛙

滴りをハンカチに受け首拭ふ

急坂に熱中症の兆しふと

喜寿にして辿る猛暑の田舎道

カテゴリ:アート・文化