進化するマサラムービー「バーフバリ1・2」

私のインド映画との出会いは、所謂、マサラムービーと言われる「ムトゥ・踊るマハラジャ」だった。アートシアター系の作品が好きな人はサタジット・レイを挙げるのかも知れないが、私にとっての出会いは、「目眩く、歌と踊りとアクションの世界」であった。

 そんな系統の映画を何本か楽しんだが、いつしか見なくなり、その後またインド映画を見るようになったのは、「きっとうまくゆく」「マダム・イン・ニューヨーク」「ランチ・ボックス」いった作品であった。人間を描き、社会を映し、そしてユーモア溢れるこれらの作品は、単純な娯楽一辺倒のマサラムービーとは一線を画し、これこそ「インド映