初めてこんなにたくさんの雲の写真を見た。といっても写真集ではなく、詩集である。
詩の本文と同じくらいか、それ以上に雲の写真がやたらに多い。まるで雲の写真集に詩が少し載っているような感じである。
さらに驚くことに、これらの写真はすべて著者である彼女自身が撮影したものばかりと書いてある。
どれひとつとして同じ雲はない。
それは人間とまるで同じだ。
個性があって、それぞれがみんな違って。
だから、雲が好きだと彼女は言う。
私も気にして、それからは雲をゆっくり見るようにした。そうしたらますます雲が好きになり、写真をあちこちで撮っている。
そして、たしかに同じ
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