夜空に更待白くワイン汲む

 中辺路の更待月を心あて  高木晴子 花 季

 天窓に更待月(ふけまちづき)や休め機  大宮広子

 細り細らば子が発つ日  林 翔

 二十日月大仏殿を軽くせり  井田みさ子

 二十日月地に湧く人ら大河なす  加藤耕子

 午後十時やっと更待月(ふけまちづき)上る  アロマ

 浜に路地ありて産声二十日月  佐藤鬼房

 タクシーの順番待ちや二十日月  鈴木真砂女 都鳥

 有明や二百十日の二十日月  正岡子規

 更待ちやキャバレーの灯は宵ながら  石塚友二

 更待ちや階きしませて寝にのぼる  稲垣きくの 黄 瀬

 更待のランプを置ける温泉壺