政党政治の崩壊と戦争への道

 筒井清忠の「戦前日本のポピュリズム-日米戦争への道-」を読了した。著者は京都大学文学部教授を経て、現在は帝京大学文学部日本文化学科教授・文学部長で、専門分野は近現代日本の政治と文化、研究テーマは近現代日本の文化(映画・文学・評論)、近現代日本政治史である。本書は、日比谷焼き打ち事件に淵源を持つ近代日本のポピュリズムが、政党政治の崩壊と、戦争という破滅に至る道を招いたことを紹介し、現代への教訓としたものである。
 著者も本書のまえがきで言及しているが、私がポピュリズムに興味を持ったのは、小泉純一郎首相の郵政選挙や、少し時代は離れるが、橋下徹大阪府知事や小