仲秋の名月に思う。

名月や 池を巡りて 夜もすがら

ご承知のように、松尾芭蕉が、京都。嵯峨にある廣澤の池の畔で詠んだ句です。

江戸後期、太平の世は、俳諧の世界にもマンネリ化を齎し、其れに飽き足らずに、芭蕉、その弟子の蕪村や其角の流れに当たる一茶と言うう俳諧師は、市井の機微に触れ、ユーモアさえも交えた俳句を詠み、やがて季語や切れ字に制約を受けず、自由に庶民の日常の機微を読み込む、川柳の誕生を見るのです。

「居候、三杯目には そっと出し」なんて、居候の、養家に対しての遠慮、気遣いいじましさなどを詠んでますが、これに返すように「居候 出せば出したで5杯食い」なんてのもありま