唯木佐保子さんの詩集「青のルネサンス」より。
銀杏の木陰のあなた
こうしてあなたを思い出しているのは
わたしひとり
陽だまりの中でこうしていると
出合ったことのない緑の扉の景色を想像する
未来に向かって花の咲かない夢をみたり
出合いと別れ という愛の表現者たちの中で
一人で生きていかなければと思い込む弱いもの
あなたは もうわたしを忘れたかしら
空から夢が舞い降りてくるような舞台の台詞
太陽の日差しに向かって微笑みを歌いあげる
ここに風が吹くと どんな些細な喜びも
命の若々しさと銀杏の木の葉一枚の実りに変わる
崖にしがみつくように生