不評の大河ドラマ、「西郷どん」もいよいよ明治維新となり、幼馴染の大久保は名を利通と改名して、政府の中枢で腕を振るう。一方西郷は、髷を切って鹿児島へ戻り、戊辰戦争で戦死した隊員の遺族を見舞い、御霊に祈りを捧げる日々を送っている。袷を着て、時には野良仕事を手伝うその姿からは、戦争を指揮し、江戸城総攻撃を命令した人物とはとても思えない。

「民のため」これが西郷の口癖だった。

東京に天皇の住まいを移し、一見順風満帆な船出のように見えたが、次なるほころびが全国各地で出始め、その対応に苦慮した大久保は、西郷の弟に西郷を東京へ来るよう説得してほしいと頼んだ。この時