国立新美術館「東山魁夷展―生涯をたどる美しき道」

国立新美術館で開催されている「東山魁夷展―生涯をたどる美しき道」へ行った。

東山魁夷(1908-99年)の作品の魅力は、「道」(1950年、東京国立近代美術館)に尽きる。初めて見た時、「なんて平凡で詰まらない作品、これが代表作か?」と思ったものだ。それが、何回も観る機会を得て、この作品の中に込められた奥深さを感じるようになった。
中央に伸びる登坂とも見える平坦な道が続く、その先はわずかに右に曲がり、消えていく。画家も、見た人も、ここにたどり着くまでの長い道のりを思い、この行き先を考える。果たして幸せだったのだろうか、これまでの人生でよかったのだろうか、