連載:オカンの一人歩き

「スマホに頼りたくなくて」

先日閉まっていたゲートの手前で引っかかった。神宮橋を渡り切った処に若者が一人、道端で何か売っている。

見たことのない手作り品だった。10センチにも満たない可愛い人形だ。若者は針に通した太い毛糸のような糸から、今も目の前で作っている。

買っていく客や彼が作っている様子を動画で撮っているのは、皆外国人だった。若者の隣に座り込んだアジア系の娘が、人形を手に取って、若者にジェスチャーで何かを伝えようとした。若者が私にもわかる英語で「エイトハンドレッド エン」と答えた。

「これ、あなたが全部作ったの?」
「こっちは作りましたが、こっちは外注に出しました。」