吾子 の喃語の寝言意味分からず

 滑子汁すすりたしなむ能代弁  宮岡計次

 汗の香がやや青年訛る言葉を無口に  赤城さかえ句集

 甘酒に生姜をきかす伊予訛  椎橋清翠

 閑居して日傘の中の國訛  古舘曹人 砂の音

 関西弁何ともゆたか初芝居  阿部千恵子

 寄鍋の酔へば口つく国訛  森野敏子

 紀州弁交る説法十夜僧  嶋倉睦代

 義太夫の浪花訛や西鶴忌  小川明美

 吉兆買ふ大阪弁の駆け引きで  山下美典

 夏みかん諏訪の訛をきみもいう  古沢太穂

 微妙なイントネーションにて聞き分ける出身地 アロマ

 寄せ鍋の酔へば口つく国訛  森野敏子

 紀州弁交る説法十夜