「菊 膾」の日記一覧

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優しき響きの訛とも聞こえて

 夕蝉や嫋々として飛騨訛  大野林火  里の子の訛も入れて蛍篭  岩見ちづる  旅先の訛親しきむかご飯  鈴木美智子  緑蔭に出雲訛も親しかり  鈴鹿野風呂 浜木綿  林檎青く信州弁さへ妻解せず  北野民夫  朗読の訛の温し賢治忌よ  依田みどり  老鴬も下北訛恐山  高澤良一 随笑  傀儡師波の淡路の訛かな  永田青嵐  榾くべて父の訛を聴く如し  松本陽平  葭切は詭弁を…

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来し方行く末想う冬の日に 

 来し方をほりおこしたる麦の秋  平野八重子  来し方を皆佳しと思ふ初明り  遠藤はつ  来し方を見ればむらがる桐の花  山口誓子  来し方を語れば簗もしぐれけり  古賀まり子 緑の野以後  来し方を行く方を草朧かな  高木 晴子  来し方を斯くもてらてら蛞蝓  阿波野青畝  来し方を時空といへり雪舞へり  斉藤美規  来し方を樹々の閉ざして寒の入  鷹羽狩行  来し方を真殺し…

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吾子 の喃語の寝言意味分からず

 滑子汁すすりたしなむ能代弁  宮岡計次  汗の香がやや青年訛る言葉を無口に  赤城さかえ句集  甘酒に生姜をきかす伊予訛  椎橋清翠  閑居して日傘の中の國訛  古舘曹人 砂の音  関西弁何ともゆたか初芝居  阿部千恵子  寄鍋の酔へば口つく国訛  森野敏子  紀州弁交る説法十夜僧  嶋倉睦代  義太夫の浪花訛や西鶴忌  小川明美  吉兆買ふ大阪弁の駆け引きで  山下美典  …