別府の河豚料理屋に再訪す

 やがて座も河豚雑炊に終りけり  高浜年尾

 よく晴れて河豚の痺れはなかりけり  仙田洋子 雲は王冠

 ストライキ礦夫博多へ河豚食ひに  成瀬正とし 星月夜

  一卓がインテリけなす河豚の鍋  不死男

 与謝の海松わたる陽に鰒釣るる  宮武寒々 朱卓

  世なりけり木曽の梯(かけはし)河豚汁  露沾 選集「板東太郎」

  世の中や月にむら雲鰒に毒  闌更

  中りたる河豚の話に尾鰭なく  稲畑汀子 汀子第三句集

 五十年の命を河豚に取られたり  赤木格堂

 まつぴるま河豚の料理と書いてある  京極杞陽 くくたち上巻

 まなかひに門