唐揚げの諸子に軽く塩振って

 あたためて昼の一献初諸子  黒田杏子 花下草上

 あの世から浮子ひきに来る諸子釣り  浅海明龍

 えりを別ちて鮒の穽諸子の穽  山口誓子

 えり壺に諸子魚の波や鳥曇  水原秋櫻子 殉教

 くだら野や諸子焼く火をまのあたり  飴山實 句集外

 くづさずにそっと焚かうよ初諸子  松瀬青々

 けふ花に暮れたり膳に初諸子  大野林火 月魄集 昭和五十四年

 これよりの山河うるはし初諸子  鷹羽狩行

 さざなみの志賀より届き初諸子  西川保子

 さゞ波や古き都の初諸子  内藤鳴雪

 しばらくを諸子焼きたる燠として  大石悦子 聞香

 そのう