連載:少年随想

つみきは今も健在なり

ふとしたことで物置を片付けていたら古い「つみき」が出てきた。黄緑色のカバーにしっかりと十文字の紐で結ばれている。

高いタワーを作ったり、横に一列並べしたり、積み上げ時のハラハラ。そして、崩れる瞬間のたのしさ。トンネルを作ると、これもなかなかおもしろい。両わきに同じ高さの木を並べ、その上を屋根のごとくにふさいでいく。
もちろん目的はつみきそのもののトンネル作りにもあるけれど、ほんとうはトミカのミニカーを真っ暗闇のできたトンネルに走らせること。
そうやって何回も何回も遊ぶ。
そのつみきは40年前のわが家をいやというほど知っている。

つみきは
木にふれるこ