連載:「ニャンコ日和」

猫と私の老々介護

病院から買ってきたミルクを 哺乳瓶で飲ませると
私の服のポケットから顔を出して 「ぴ~ ぴ~」と
か細い声で 鳴いていた子猫が 今年の春には20歳

「猫の20歳は 人間でいうと100歳を過ぎているころ」と
ペットクリニックで言われた 私の相棒です

家のそばの公園に たぶん捨てられて 震えていた子猫
キッチンに立つ私の エプロンのポケットでぴーぴー
私の指をチュッチュッと 母親のおっぱいのように吸って

そのころからずっと一緒です

娘が小学生のころには 「この子は私の子!」と
そばに置いていましたが いつの頃からか
猫より大事な人を見つけ 置いて行き