初春大歌舞伎-夜の部-(歌舞伎座)

今月の歌舞伎座は、歌舞伎の最もオーソドックスな演目・・・、時代物、所作事、世話物の順で狂言が並んだ。

 時代物は「絵本太功記(えほんたいこうき)尼ヶ崎閑居の場」、所作事は「勢獅子(きおいじし)、世話物は「松竹梅湯島掛額(しょうちくばいゆしまのかけがく)吉祥院お土砂の場と四ツ木戸火の見櫓の場」である。

 先ずは時代物・・・。時代物と言えども、歌舞伎の世界である。その荒唐無稽振りや過剰な演出は如何様にも鷹揚に見物する心得はあるつもりだが、この長尺且つ散漫な狂言は退屈の一言であった。それは役者の責任ではない。物語が時代に合わなくなってしまったのだろう。荒唐