梅園の橋を渡って梅日和


 おむすびの売るるといふも梅日和  後藤夜半 底紅

 かりそめの杖の身に添ふ梅日和  馬場移公子

 けふ紅を加へし庭の梅日和  塙告冬

 さりげなく大島紬梅日和  川崎展宏 冬

 ひる頃の雲がまぶしき梅日和  五十崎古郷句集

 みなさんによろしくといひ梅日和  室生犀星 犀星発句集

 わが句碑に一翳もなき梅日和  西本一都 景色

 一歩出て一句授かる梅日和  福井保子

 隠栖の門に俥や梅日和  比叡 野村泊月

 縁側を拭きゆく蹴出梅日和  岡澤康司

 艶やかないたちと出会ふ梅日和  豊丹生弘子

 嫁入りの荷物を担ぐ梅日和  針ヶ谷