春来る昼の気温の上昇し



 立春といふに雪降り孫生る  皆川白陀

 立春にはげまされたる心かな  国弘賢治

 立春のいつか過ぎをる机かな  高澤良一 ぱらりとせ

 立春のおもひこつんと貝にゆく  宇佐美魚目 天地存問

 立春のかゞやき丘にあまねかり  高浜年尾

 立春のこだま隧道抜けてくる  田山諷子

  立春のその後の寒さ言ひ合へる  石塚友二

 立春のどこも動かず仔鹿立つ  秋元不死男

 立春のはら~雨に妻外出  高田風人子

  立春のぶつかり合ひて水急ぐ  会田保

 立春のまだ垂れつけぬ白だんご  中山純子 沙羅

  立春のチヤイコ