子供の頃、家にあったお雛様は
母がお嫁に来た時に持ってきたものだった。

古かったので、子供だった私にはその良さがわからず
友達の家にある華やかなお雛様が羨ましかった。
自分のお雛様を買って欲しいと
何度か親に頼んでみたが、買ってもらえなかった。

そんな想いがずっとあって、娘が生まれたお祝いに
迷わず七段飾りのお雛様を買ってもらった。
当時はマンションに住んでいたし
「そのうち置き場所に困るよ」と皆に言われたが
どうしても七段飾りが欲しかった。

数年は毎年出して飾っていたけれど
出すのも大変、しまうのも大変。

あれほど欲しかった七段飾りも
次第に後