30年ぶりに電話した

約30年ぶりに田舎の兄に電話をした。久しぶりに聞く声はまさしく兄であり老人のそれだった。余りに久しぶりだったので、驚きと嬉しさも少し混じった何とも言えないものが伝わてきた。

兄は今年85歳になる。少し耳も遠くなったようだ。何度か聞き返されるのが苦痛。私の兄弟は9人で今電話しているのは、三男であり私は9番目の七男だ。

お互いそんなに残された時間はない。だからボケたり半身不随の身の上になる前にと、普段の思いを伝えたのである。

単刀直入に聞いてみた。「私の知らない間に生前贈与という裏技を使って親の財産を独り占めして、今の心境は如何なものか?」

返ってき