国立劇場散歩 ー邦楽に誘われてー

「春は雲 鐘は上野か浅草か
 ゆかりの色の はちまきは 江戸紫の伊達姿 堤八丁衣紋坂
 大門くぐる助六に きせるの雨がふるように」

寒の戻りというには遅すぎる。花冷えというには寒すぎる。そんな日に国立劇場に出かけた。
国立劇場に入るのはそれこそ久しぶりになる。忘年亡月、地唄舞の出雲蓉さんから地唄舞の招待を受けて以来になる。
劇場の前庭の桜は咲き誇るというよりは寒さに震えているように見える。ソメイヨシノの代わりに植栽されているという神代植物園で育てられた「神代曙」は明るい紅色を放ち寒さの中でも威勢がいい。
「第49回邦楽演奏会」と銘打った催し、全席自由席