40代の半ばで企業の全国の主要ディーラーが集まる会の運営を担当していた。シーズンのキャンペーン発表や戦略確認の後に、有名スポーツ選手や作家、文化人の講演を手配した。
ある会で将棋の大山康晴名人にお願いした。千駄ヶ谷の将棋会館に出向いて挨に出向き、受けて頂いて当日を迎えた。
対局の想い出等を幾つか話された。最後に、
「こんなことがありました。対局が休憩に入り部屋に下がりました」
女将さんがお茶を出して、
「先生。今日はちょっと難儀されてはりますか。頑張ってくださいね」と言った。
「あなた。将棋が分かるの」と不意を突かれて返した。
「将棋は分かりませ