花吹雪大方は地に散り敷いて


 花吹雪大方は地に散り敷いて アロマ

 いちにちの大方餅を焼く匂ひ  桂信子 花影

 からすうり大方読めぬ芭蕉句碑  百合山羽公 樂土以後

 そら豆の大方莢の嵩なりし  稲畑汀子

 ともし灯に来るは大方沼の虫  高野素十

 大方の星座煌めく冬の宵 アロマ

 山桜大方山を染め上げて アロマ

 ペガサスの大方形や露の上  山口誓子

 ゆく秋の大方は四十近き友  桂郎

 ラグビーの憩ひ大方は立ち憩ふ  山口誓子

 わが願ひ大方満ちて落葉焚く  石田あき子 見舞籠

 逢ふときは大方喪服冴返る  河野美保子

 稲埃とても大方火山灰埃  中