私はホテルを猊鼻渓に取った。大学時代、友人と来たことがある。
記憶なんていい加減で、全く駅の記憶がない。こんなに高い場所にある特徴的な駅なのに。
宿の周辺は桜が満開で、しかも巨木だ。人は殆どいないが地元の人らしい男性がカメラを向けていた。
宮沢賢治がここで、雨ニモマケズを作ったと宿のパンフレットで知る。採石場がある。賢治はマジメに生きたんだ。
宿の女性が駅に迎えに来てくれて、宿では部屋まで案内してくれた。お風呂もお湯を張ってあるという。仙台は二泊ともホテルだから、チェックインの時くらいしか言葉を交わさない。一人旅にはときどき日本的な宿を入れるのも
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