さんが書いた連載旅1の日記一覧

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「14月15火と台風直撃らしい」

14月15火と台風が関東を直撃するらしい。困った。既に山梨県のホテルを予約してある。 そこに泊まって山に行く。金峰山。去年のお盆に登った山だ。 雨なら登山は出来ないから、台風が反れてくれる事を祈るしかない。 去年夏は咳に苦しんだ。漸く治りかけた頃だった。登っている時、時々咳が出た。若い人が沢山登っていて私を追い越して行った。 一つ年を取った今年、同じ山に登ってみたい。 …

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「愛は習慣」

朝起きると真っ先に水槽を覗く。帰宅するとタダイマを言う。いつもランチュウからだ。次がリュウキン。餌もその順番。 ランチュウはヨチヨチ。孫に似ている。リュウキンは元気そのもので、狭い水槽内を泳ぎ回る。 誰だっけ、愛は習慣とか言ったのは。日増しに高まる金魚愛。 2匹買ったランチュウは買って直ぐに一匹死なせてしまい、また新小岩の「吉田」に買いに行った。最初に買ったものよりかなり小さ目のものしかな…

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「明日が丸々一日ぽっかりと空いている」

田中陽希が苛立っている。山頂で待つファンが沢山いた頃だ。録画していた『グレートトラバース:男体山·日光白根山』を見る。この番組がいいのは田中が一人で登るところだ。 仕事から帰る頃には空一面青空が広がった。これからが私の時間、私の自由、好きなだけ本が読める。一日で一番心浮き立つ時だ。 帰宅して直ぐにご近所さんから頂いていたアガパンサスを、3つに分けて植え替えた。力仕事だった。シャワーを浴びた…

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「日曜美術館」

この番組を見ると行きたくなる、奈良。聖徳太子に特別関心がある訳でも、奈良でなければ駄目だという訳でもない。 恐らく、風船がパンパンなのだ。ちょっとした刺激で破裂する。 県境を越えるな、人が沢山いる場所に行くな、人と会食するな。全部もっともだし、殆ど守っている。 神社仏閣や仏像を見て、自然の中に身を置く。今ほどそうしたい時はなかった。禁止されている(と思っている)からだ。 ワクチン接種が身…

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「茨城県VS千葉県」

茨城県は千葉県の隣。東京だって隣だがユリコ様が「東京には来ないで」なんて言うもんだから、いや、言われなくても今は行かない。 国営ひたち海浜公園を出てユニクロでずぶ濡れの服を着替えたら少しは温かくなるものの、丈が短いせいかスースーする。若者はこんな物を着ても平気なのだ。 那珂湊にある『おさかな市場』に行く。千葉県に向かう途中にあたる。何故にここかというと一度来た時、魚の安さと店員の態度にしび…

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「茨城は雨だった」

「茨城県て農業県だよね」 車から見える農家は、立派な塀を巡らし敷地内に数棟建物がある。門なんかうちの近所の建売住宅一軒分もあるものまで。 「全国最下位って何も気にしてないんじゃない?」 毎年発表される「魅力度ランキング」で茨城県は七年連続して最下位だった。 筑波山神社の駐車場で登山靴を脱ぎ、雨で濡れた衣類を着替えたが、まさかもう一度着替える事になろうとは。 まだ正午前だし、せっかく茨城県…

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「ケーブルカーの一人占めは本当だった:筑波山」

あった、これこれ、この透き通った水色の花だ。 登山道から1メートル程の崖に咲いている。前回はもっと近くで撮れたが、今日は雨で地面が濡れていて近づけない。 増えている。あの時はたった一輪だった。登山客が多く、撮るのは順番だった。 筑波山に登ったと言う同僚にガツンとやられた気がして、息子に頼んでいた。今年始めてリュックを準備した。御朱印帳を確かめ、前日にはカップヌードルやコーヒーも買い込んだ…

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「筑波山に行って来たと同僚が言った」

「ケーブルカーを一人占めよ」 「えっ?!登ったんですか?」 70代の同僚の言葉に驚いた。 「カタクリが咲いてて綺麗なのよ」 私は心底驚いた。「筑波山」にも「カタクリ」にも驚いたがそれだけではない。 私の今年のお花見は千葉県内のみだ。もちろん近場の桜も変わらずに綺麗だし、宴会禁止も静かでいい。 だが、実際にその地を訪れて、富士山や岩木山を背景に見る桜は違う。 そもそもお花見は花だけを見る訳…

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「色のない世界」

露天風呂は玄関を出て少し歩いた先にあるという。外に?この横殴りの雪の中を? 先ずは六階にある眺望風呂『満天の湯』を目指した。洗い場が寒くて寒くて、ざっと洗い流して飛び込むように湯に浸かった。先客が二人いた。若い娘だ。一人は肩まで湯に浸かっていたが、一人は浴槽の縁に腰掛けていた。 「よく、上がっていられるね」 一人が言う。私もそう思った。普段ならここで会話に加わるが、とにかく温まりたくて黙って…

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「久しぶりに濃厚接触してしまった」

「東京都の新規感染者が822人に〜」 ラジオから流れて来た声に、悲鳴のような声が上がった。私以外に二人いた客は私と似たりよったりの年齢。 それにしても今日の客はよく喋る。80代だというママが他の店を畳んでこの店に来て私は二度目だが、それまでと明らかに店の雰囲気が違う。 さっきまでいた女性客はママとはしゃぐ、はしゃぐ。私だってお喋りだと自認しているが、他人があまりにも喋ると、黙ってしまう。 …

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「今しか出来ない買い物」:伊豆半島③

ポテトコロッケ二個   38円 鯵フライ2枚      106円 近江牛カレーパン    79円 仙台牛ビーフシチューパン79円 あんブレッド2個    158円 鯵の干物2枚      194円 塩茹で落花生      198円 (落花生の産地千葉県から来たのに!) 岩下の新生姜味塩焼きそば148円 (単37×4個) しめて1000円!税プラスで1080円。 私は買い物すると必ずレシートをも…

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「ムーンロード」:伊豆半島②

お湯に浸かった女性が、まるで旧知の知り合いのように声を掛けてきた。 「滑りますから気を付けて下さいね」 ここは傍を何度か通った事がある。だが、入ってみようとは思わなかった。あまりにもみすぼらしい。 ホテルのフロントで無料で入れると言われて行ってみるかとなった。浴衣を着て行くようにと言われたので、部屋に入ると早速着替えた。 防波堤の役目を兼ねた一段と高いコンクリート道を歩いた。寒くはない。前…

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「最高の贅沢」:伊豆半島①

やはり来てしまった。品川駅に来たらここは外せない。 それまでケーキのショーケースを楽しんた。黄緑色のマスカットが手招きしているようなケーキや、栗をふんだんに使ったケーキを、目で味わった。 奥にあるこの店には前回も来た。世界中のワインを眺めているだけで気持ちが高鳴り、一番小さな瓶を買ったのだった。 今度は全く違うものがいい、『獺祭』、かの有名な「ダッサイ」の300ml瓶がある。飲んだことがな…

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「美しいものにはパワーがある」:甲府③

ヨーロッパでまたロックダウンなるものが始まると言われた頃から、テレビをあまり見なくなった。 日本でも北海道から始まった。第一波と同じだ。日本だけ安全などあり得ないと第一波で学んでいる。 友人の電話で、コロナをかなり気にしていると感じた。私は落ち込みやすいタイプだと思っていたが、友人と比べると全然と言っていい程気にしていない、 コロナより「幸(さち)」が気になって仕方ない。高田郁の『あきない…

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「花は二度咲く」:甲府②

黄色く色付いた銀杏並木がずっと続いている。那須や鬼怒川では赤を堪能したが、こちらは黄色だ。 河口湖の畔にも鮮やかな黄色があった。湖には釣り糸を垂れる人がいて、幼子を連れた家族連れが銀杏の絨毯を歩いていた。 春には桜と富士山に五重塔で有名な新倉山も近い。桜の時期だけ観光客が押し寄せると思っていたら、駐車場に行くまでの道に爺様たちが交通整理をしていておやっと思った。駐車場は大方車で埋まり、観光客…

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「紅葉とお蕎麦でお腹も心も満タンに」:鬼怒川温泉②

鬼怒川温泉に泊まったら龍王峡は外せない。朝一番に寄ることにしていたが、それ以外は行き当たりばったりのノープラン。 ホテルは朝もゆったりと大浴場に行った。私以外は一人しかいない。観光バスは玄関横に停まっているが、館内で全く人に会わない。 チェックイン時に朝食は弁当と言われたが、コロナの今、そうした話は聞いていた。部屋まで女性が運んで来た。 NHKの『エール』を見て出発した。龍王峡の駐車場はま…

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「観光バスが停まっている」:鬼怒川温泉①

3メートルはある高いガラス窓一杯に山が広がる。木々は緑から黄色、赤と微妙なグラデーションだ。那須岳の真っ赤な紅葉が鮮明に残っているので、こうした普通に紅葉を始めていく様も好もしい。 右手には大きなホテルが見える。今までの経験から廃墟を予想していたが、昨夜歩いた時にはホテルにはほぼ灯りが点き、全館灯りが付いた建物からは賑わいすら感じた。 夕食後、散歩に出た。間違っても浴衣姿では行けない。寒すぎ…

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「山のバッヂが売り切れている?!」:那須朝日岳②

登山すると記念に山のバッヂを買う。歩きで下山し、ロープウェイ乗り場に立ち寄った。売り場には朝日岳のバッヂは沢山並んでいるが、那須岳がない。一つもない。 「スミマセン、那須岳はないんです」 店員が他の女性に言っているのが聞こえて来る。紅葉の今が一番観光客は多いはず。ないなんておかしい。私は諦めきれずに那須岳と刻印されたキーホルダーと、朝日岳のバッヂを持ってレジに行った。 「那須岳のバッヂが売…

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「去年とまるで違う」:那須朝日岳①

満車だ。仕方ない。ホテルの玄関まで行く。第二駐車場はあの黄色い矢印を曲がって〜とホテルの職員が説明を始めたが、滑舌が悪くよくわからない。 えっ!こっちもかなり車が埋まっている。まだ4時前だ。しかも平日。多摩、品川、横浜、広島、また広島!車のナンバープレートは日本全国ある。 フロントは行列。去年来た時も混んでいたが、それ以上だ。あの時より受付のスタッフは増えている。透明の仕切りが今年らしい。 …

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「60過ぎての一年てさ」

スマホ様にお世話にならない日はない。昨夜は孫とラインの無料ビデオ通話をした。向こうから掛かってきたもので、バアバからすることはない。 私が第一子を産んだ時、一ヶ月は布団を敷きっぱなしで出産後の体を養生し、一ヶ月経つと「床上げ」をした。実家に帰って産んだから全ての家事は母に任せっきりで、それが当たり前だと思っていた。 娘にも同じようにするつもりでいた。ところが娘は病院から帰ってもバアバに応援を…