若草の饒舌手には「太陽の季節」 池月一陽子
煮凝や昼の饒舌夜の寡黙 大島民郎
時の日や鸚鵡は過去を饒舌に 矢崎硯水
時ならぬ夫の饒舌茎立ちぬ 泉本浩子
歯の欠けし男饒舌一茶の忌 富沢赤黄男
山中人が饒舌の爐を塞ぎけり 内藤吐天
桜草一鉢をおく饒舌の室 山口青邨
水仙の花饒舌を好まざる 河野静雲
杖を曳く母の饒舌山笑ふ 河村玲波
頤にマスクをずらし饒舌に 岩田公次
葭雀饒舌つくす蹶速塚 水原秋櫻子 玄魚
旅終へし子の饒舌やさくらんぼ 川崎 俊子
友の婚より戻り饒舌餅こがす 桜井博道